遺品整理について調べると、「不用品回収と同じ」というような説明があったり、不用品回収業者と遺品整理業者の作業内容が似ていたりするので、どう違うか気になりませんか?
このページでは、不用品回収と遺品整理の違いについて説明し、併せて不用品回収業者の費用や選び方費用についてもまとめて解説していきます。
「不用品回収」と「遺品整理」の違いってなに?
まず、「不用品回収」と「遺品整理」がそれぞれどういう作業なのかを比べて見ましょう。
要は、不用品回収の延長上が遺品整理という事で、作業部分で言えば遺品の仕分けをするかしないかが大きな違いです。
例えば、既に遺族の方がまとめていた遺品の回収・処分をしただけならば、遺品整理ではなく不用品回収となります。
「不用品回収業者」と「遺品整理業者」の違いについて
一方で、「不用品回収業者と遺品整理業者の違い」となると、明確な違いはありません。
そもそも、遺品整理という業務には業法が存在せず、特別な資格や許可も実務経験も一切不要なので、誰でも遺品整理業者と名乗る事が可能です。
その為、業務内容が比較的近い「不用品回収業者」や「便利屋」が業務の一つとして遺品整理業者を名乗っているという場合がほとんどだからです。
逆に、遺品整理ができる業者であれば不用品回収も行えるので、遺品整理専門業者といいつつ不用品回収などの業務も受けているので、この二つの業者に明確な違いはないと言えるのです。
不用品回収業者の選び方
では、不用品回収業者を選ぶ際のコツや絶対に選んではいけない不用品回収業者の特徴などをまとめてご紹介します。
不用品回収業者を選ぶコツ
遺品整理における不用品回収業者の選び方のコツをまとめると次の通りです。
この5つを意識するだけで不用品回収業者選びでトラブルが起こる可能性は大きく下がります。
各ポイントごとについて詳しく解説します。
公式サイトを確認する
公式サイトを眺めて「良さそうかどうか」という直感で判断する程度でOKです。
公式サイトで「費用がはっきりしているか」「サービス内容が分かりやすいか」など、確認した方が良いという意見もありますが、直感で構いません。
例えば、「業界最安保証!」「他社より1円でも高ければ全額返金!」のように、いかにも「他社より優れています!」という事を謳っている業者がいます。
ですが、全く同じ条件で複数社に作業まで依頼する事は不可能なので、「他社と比較して弊社の作業費用は安い」といった謳い文句は書き放題なのです。
このように、サイト内容は良い感じに作りこむ事が割と簡単ですので、実際にやり取りで判断する必要があるからです。
現地見積もりは無料対応かどうか
基本的に不用品回収の費用は「不要品の量」「作業時間」「作業人数」「特殊作業工程」などを考慮して費用が決まりますので、現地を確認しなければ正確な見積もりはまず出せません。
一応、現地確認をせずとも信頼できる見積もりを出してくれる業者もいますが、こちらに経験がなければ良し悪しの判断できない為、現地見積もりを断る業者は怪しい業者と考えて構いません。
そして、見積もりを依頼する際には見積もりをとる事で費用は発生しないかどうか聞いておきましょう。
作業前に見積もりを要確認
【作業に入ってもらう前】に見積もりはきちんと確認しましょう。
ただし、見積もりの表記は業者によって表記が異なりますので、「怪しくないか?」と感じる程度でOKです。
重要なのは、作業後に見積もり以上の追加費用はどういう場合に発生する可能性があるかを教えてもらう事です。
作業日当日にイレギュラーな廃棄物などが見つかった場合は仕方ありませんが、現地の見積もりをした後に追加費用が掛かる事は基本ありません。
追加費用に関する説明が曖昧な場合はやめておきましょう。
相見積もりをとる
引越しを依頼する時と同様に、不用品回収でも2~3社へ相見積もりを依頼するのは鉄則です。
相見積もりは作業の相場を自分で把握することができるようになるので、騙される可能性も大きく下げる事ができます。
また、より費用の安い業者に依頼する事ができるのも大きなメリットです。
スタッフ対応を気にする
電話や現地見積もりの際にスタッフの対応が粗暴で乱雑でないかを気にしましょう。
マナーがなっていない不用品回収業者に依頼すると、作業を短時間で終わらせる為に対応が雑で、部屋や家財を傷つけられる可能性もあります。
集合住宅地での不用品回収は近隣住人への迷惑行為にも関わってきますので、トラブルを避けるためにも、マナーが大丈夫そうかを気にするようにしましょう。
依頼してはいけない不用品回収業者の特徴
一方で、問合せから絶対に避けるべき不用品回収業者の特徴は次の3点です。
こちらはつぎの遺品整理業者の選び方で紹介している内容と同じですので、詳しくはそちらも参考にしてください。
一般廃棄物収集運搬許可は確認しなくてもいいの?
不用品回収業者を選ぶ際に「一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者に依頼するのがおすすめ!」と説明しているサイトがあります。
結論から言うと、一般廃棄物収集運搬許可の有無はそこまで気にしなくて大丈夫です。
何故ならば、そもそも新規の一般廃棄物収集運搬業者を募集していない市町村が多いため、取得したくてもできないのが現状だからです。
その為、多くの不用品回収業者は一般廃棄物収集運搬は外部と提携して行っています。
不用品回収業者の費用・相場について
不用品回収業者の費用は主に次の二つの料金体系のどちらかよって算出されます。
チラシやサイトで「軽トラ詰み放題定額料金」といった内容を目にしたことがあるかと思いますが、これは前者の定額パックの事で、現在主流の金額体系となっています。
では、【定額パック料金】【オプション料金】【基本料金】【各品目の回収料金】各種の料金目安を紹介していきます。
定額パック料金の費用目安
不用品回収の定額パックの料金はトラックのサイズによって次のような費用相場となっています。
運搬車のサイズ | 参考費用相場 | 参考間取り |
---|---|---|
軽トラック | 10,000円~25,000円 | 1K |
平型2トントラック | 35,000円~60,000円 | 2LDK |
箱型2トントラック | 50,000円~90,000円 | 3LDK |
運搬車のサイズが同じでも費用相場が大きく異なる理由は、オプション料金がどこまで組み込まれているか業者によって異なるからです。
オプション料金の費用目安
不用品処分に必要なオプション料金や項目は業者によって大きく異なりますので、ここでは様々な不用品回収業者を調べた上で比較的オプションとされている項目の参考費用を紹介します。
遺品整理項目 | 概要 |
---|---|
人員追加(一人当たり) | 6,000円~8,000円 |
早朝・深夜来往 | 3,000円~5,000円 |
分解・解体作業 | 1,000円~1,500円 |
取外し作業 | 1,000円~5,000円 |
階段による搬出/1階ごと | 1,000円~1,500円 |
分別・荷造り | 3,000円~6,000円 |
養生作業 | 2,000円~5,000円 |
吊り降ろし搬出 | 6,000円~18,000円 |
基本料金の費用目安
基本料金とは遺品整理業者の運搬費用・出張費用・ガソリン代などの基本的に必要な費用です。
こちらの費用も業者ごとに考え方が異りますが、費用相場としては3000.円~6000円程度となっています。
各品目の回収料金の費用目安
パック料金でない場合は、不用品の種類によって回収費用の相場が決まっています。
こちらも業者によって費用が変わる為、参考相場を紹介します。
リサイクル家電
品物 | 費用 |
---|---|
テレビ | 2,000~6,000円 |
冷蔵庫 | 3,000~6,000円 |
洗濯機 | 3,000~6,000円 |
エアコン | 2,000~4,000円 |
家電類
品物 | 費用 |
---|---|
電子レンジ | 500~1,000円 |
プリンター | 500~2,000円 |
掃除機 | 500~2,000円 |
扇風機 | 500~2,000円 |
ビデオデッキ | 500~1,000円 |
DVDプレイヤー | 500~1,000円 |
炊飯器 | 500~1,000円 |
アイロン | 500~1,000円 |
空気清浄機 | 500~1,500円 |
ドライヤー | 200円~800円 |
トースター | 500~1,500円 |
ミニコンポ | 500~3,000円 |
オーディオデッキ | 500~1,000円 |
家具類
品物 | 費用 |
---|---|
イス | 200~1,500円 |
座椅子 | 200~1,500円 |
こたつ | 1,000円~5,000円 |
衣装ケース | 200~1,000円 |
カラーBOX | 200~1,000円 |
ソファー(1人) | 500~3,000円 |
テレビ台 | 500~5,000円 |
タンス | 1,000~7,000円 |
ベッド | 2,000~8,000円 |
ソファー(2人~) | 3,000~10,000円 |
布団 | 500~1,500円 |
テーブル | 1,500~3,000円 |
ガスコンロ | 800~1,500円 |
石油ストーブ | 1,000~1,500円 |
自転車 | 1,000~2,000円 |
スキー板 | 1,000~2,000円 |
スノーボード | 1,000~2,000円 |
サーフボード | 1,500~4,000円 |
ゴルフセット | 1,000~4,000円 |
マッサージチェアー | 2,000~10,000円 |
上記で紹介している処分品のほとんどが粗大ごみとして処分可能です
ですので、自分で持ち運び可能なものは、粗大ごみとして処分してから依頼する方が費用はグッと抑える事が可能です。
おわりに
遺品整理において不用品回収業者へ依頼するのであれば、遺品の仕分けは自分で行い、遺品の買取は買取業者に依頼した後に行うようにしましょう。
もしも、遺品の仕分けから依頼するのであれば、業務に慣れている遺品整理業者に依頼する方がおすすめです。
また、遺品の買取に関しても不用品回収業者よりも買取業者に依頼する方がはるかに高く売れる可能性があります。
チラシや広告で「不用品回収業者が安そう!」と安易に遺品整理全般を任せると、高額請求された上に、貴重品や高く売れるはずの品物もまとめて処分されるような被害にあう可能性もあります。
その為、不用品回収にしても買取依頼をするにしても慎重に業者選びをするように心がけましょう。