あなたは、遺品整理業者について「遺品整理の専門家」と盲目的に考えていませんか?
実は、遺品整理業者は必ずしも「プロ」と呼べるわけではなく、選び方やメリット・デメリットを把握しないで依頼してしまうと、とんでもない損害が発生するリスクすらあります。
このページでこれらの内容についてまとめて解説しますので、遺品整理をご検討の際にはぜひ参考にしてください。
遺品整理業者のサービス内容と問題について
遺品整理業者とは遺品整理に関する様々な業務を提供する業者の事です。
そして、【一般的な認識における遺品整理業務】とは主に次に該当するような作業・サービスの事を指します。
遺品整理作業 | 概要 |
---|---|
1.遺品の仕分け | 残す遺品と不要な遺品に仕分けする作業 |
2.遺品買取 | 仕分けした不要な遺品を出張買取してもらう |
3.不用品回収・処分 | 買取後に残った無価値な不用品を処分 |
4.遺品・仏壇の供養 | 遺族の形見や人形、思い出の品物など特別に供養したい遺品があれば供養を依頼する |
5.不動産整理 | 実家の土地・建物などの処分や運用が必要かどうか |
6.住宅解体・リフォーム | 遺品を処分した後にリフォーム等が必要かどうか。 |
7.ハウスクリーニング | 専門業者による徹底的な清掃が必要かどうか |
8.特殊清掃 | 遺体に関する清掃など、特殊清掃が必要かどうか |
ここで挙げているのはあくまでも一般的に認識されている遺品整理業務なのであって、法律で定義されているものではないという点が重要です。
大きな問題点として【遺品整理業務の内容は法令上での具体的な定義がなく、専用の「業法」すらも存在しません。(※引用:遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書) 】
業法がないという事は遺品整理業者を名乗る為に「専門の資格」や「特別な許可」は一切不要なほど法規制も緩く、誰でも容易に参入が可能だという事です。
そして、誰でも簡単に参入が可能で法規制も緩いという事は、モラルのない悪質な遺品整理業者でも簡単に参入が可能という事を意味します。
悪質な遺品整理業者に依頼してしまうと?
前述の内容からも遺品整理業者の質はピンからキリまであり、悪質な遺品買取業者に依頼すると次のような犯罪被害にあう可能性があります。
上記でも一例ですが、悪質な遺品整理業者はモラルよりも利益を最優先にする為、上記のような犯罪行為が横行しているのです。
被害実例として、「独立行政法人国民生活センター」にて公開されている、遺品整理に関する相談事例を一つ紹介します。
【事例1】見積もりの際にせかされて契約したが、作業が始まらないので解約したい 兄が亡くなったため、スマートフォンで検索して見つけた遺品整理事業者に兄宅に来てもらい、 見積もりを出してもらうことにした。
夫からその場では契約しないように言われていたが、事業 者から、「今日決めてもらったら安くなる」、「早く決めた方が早く始められる」など言われたので、 その場で324,000円で契約し、手持ちの24,000円を支払った。
「土日のうちにポストに鍵を入れて おけば週明けから準備を始める」と言われたので契約したが、週が明けても作業が始まる様子が なかったため、事業者に電話をしたところ、「作業日はまだ決まっていない」、「来週末からではど うか」と言われた。
「賃貸の解約をしないといけないので、もっと早くしてほしい」と伝えたが、 信用できない。クーリング・オフできるか。見積書を見返したら、作業日は「今月末まで」、「作 業日の2日前まで違約金10%」と書かれているが、事業者から説明は受けていない。 (2018年4月受付、60歳代、女性、家事従事者、兵庫県)
引用:独立行政法人国民生活センター
「遺品整理業者を名乗っているから遺品整理のプロだろう」と考えて、任せてしまうとこのような被害にあう可能性は十分にあります。
当ページでも紹介しているような最低限の知識があればこのような被害を回避することは十分に可能ですよ。
失敗しない為の遺品整理御者の選び方
では、失敗しない為の遺品整理業者の選び方についてですが、次の5つの行動に気を付ければOKです。
では、各ポイントごとに解説します。
本当に遺品整理業者に依頼する必要があるか
遺品整理というと色々な作業や手続きが必要な場合がありますが、遺品整理業者に依頼するかどうかの判断は次の2点で判断しましょう。
このどちらかに該当しないのであれば、遺品整理業者にわざわざ依頼する必要は次の理由からもありません。
遺品の仕分けを自分でやる場合は、必要に応じて「買取業者」や「不用品回収業者」、「不動産整理」などは個別に依頼する方が、話はスムーズですし費用負担もおさえることができます。
役所への手続きや契約情報の確認、不動産整理や相続問題、細かな手続き等に関しては遺品整理業者が行ってくれるわけではありません。
特に、遺品買取に関しては「骨董品買取に精通した総合買取業者」に依頼する事で100倍以上もの買取価格の差がでる事すらあります!
遺品整理業者に依頼するメリットとデメリットとは?
遺品整理のメリットとデメリットははっきりしています
遺品整理業者に依頼するメリットは手間と時間がかからないという事です。
「1.遺品の仕分け」→「2.運び出し」→「3.処分」まで一括で行ってくれるので、遺品整理が非常にスムーズにすすみます。
一方でデメリットは「1.費用がかかる」「2.適当に依頼すると被害にあう」という点が挙げられます。
遺品整理の費用は遺品の量や住宅の規模、作業の必要時間によって変わりますが、少なくても2万円~必要になります。
また、何も考えずに依頼をすると悪質な遺品整理業者による「高額請求」や「遺品の盗難」といった被害にあう可能性もあります。
依頼する遺品整理業者は適当に選ばない
遺品整理業者を選ぶ際には問合せをする段階から見極める事が大切ですが、次の4つの項目を参考に遺品整理業者に問合せする事をおすすめします。
現代において「公式サイトは企業の名刺」ですので、丁寧に作られているかどうかは意外と重要な判断要素となります。
そして、遺品整理業者は簡単に開業することが可能だからこそ、遺品整理業務を始めてからの営業年数も参考となります。
長ければ長いほど良いとも言えませんが、開業して2年以内のところは少し警戒する事をおすすめします。
逆に、絶対に避けるべき遺品整理業者の特徴は次の項目です。
突然電話や営業をしてくる遺品整理業者にまともな業者はまずいません。
そして、日常的に遺品整理の事は考えないので、ついつい昔のチラシを思い出して問い合わせがちですが注意しましょう。
チラシは安価で簡単にばらまける事から、どうしても悪徳業者が良く利用する宣伝方法なので、内容をきちんと確認することが大切です。
実は「遺品整理士在籍」はあまり参考になりません。
サイト管理者である私自身も遺品整理士の資格は取得していますが、次の理由から「遺品整理士が在籍する業者だからといって安心」というわけではありません。
この記事を見ているあなたでも簡単に取得し「認定遺品整理士」を名乗る事が可能なので、「遺品整理士がいるから安心!」と妄信しては大変危険です!
きちんと当ページで紹介している方法を参考に遺品整理業者は選ぶようにしましょう。
3社程に相見積もりをとる
遺品整理業者に見積もりを依頼する際には1社でなく3社程から相見積もりをとる事を次の理由からもおすすめします。
要は、トラブルを避け、よりよい遺品整理業者に依頼する為に相見積もりが大切だという事です。
スタッフの対応・説明を観察する
遺品整理業者との言葉遣いや対応に関しても気にするようにしましょう。
そこまで神経質に気にする必要はありませんが、次のように明らかに失礼な場合は注意が必要です。
具体例を挙げますと、解体やハウスクリーニング、不動産処分など、こちらが一切依頼する予定もない作業を過度に提案してくる業者などですね。
遺品整理業務において、遺族と故人に対する敬意と想いやりは非常に大切ですので、マナーをわきまえられない業者は絶対に断りましょう。
契約書or見積書を確認、質問する
遺品整理業者に見積もりを依頼すると、現地を確認した上で正式な見積書or契約書を提示してもらえますが、内容をきちんと確認しましょう。
滅多にありませんが、現地確認を一切せずに見積もりを提案する遺品整理業者は絶対に断りましょう。高確率で想定外の追加費用トラブルが発生します。
トラブルになる原因で多いのは、金額以外の内容をろくに確認せずにその場ですぐに契約してしまうというパターンです。
大切なのはその場で一通り内容を確認し、気になる内容や不明瞭な点はその場できちんと質問をするという事が大切です。
基本的に確認すべき内容は次の項目を参考にしてください。
普通の遺品整理業者であれば、その場で書面を確認する時間や不明瞭な点について質問する時間はきちんともらえますので、必ず契約する前に確認しておくようにしましょう!
遺品整理業者への依頼は自己責任と考える
失敗しない為の遺品整理業者の選び方についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
明らかな怪しい要素のある遺品整理業者は避け、曖昧な事に関しては確認する事を忘れなければ悪質な遺品整理業者に依頼してしまうリスクはしっかりと回避できます。
しかし、契約までしてしまうと例えどのような内容だとしても法的な同意とみなされるため支払いを避けること自体が困難ですし、断るにしても高額なキャンセル料を覚悟しなければなりません。
クーリングオフを適用するのであっても、おかしな契約を持ち出した相手では交渉は相当こじれると考えましょう。
ですので、遺品整理業者へ依頼する事は自己責任だという心構えで臨みましょう!
もし、これから遺品整理を考えていて、どうすればいいか分からずこのページをご覧になられているのであれば、次のページも参考にしてください。