知人や以前の勤め先で中の良い上司や同僚からたまに「チラシが入っていた業者に遺品整理を依頼しようと思うけど大丈夫?」と質問をされます。
近年は遺品整理や生前整理、断捨離の需要が上がってきている事から、「不用品処分から遺品整理までお片付けならお任せください!」というチラシを見た事がある人は多いでしょう。
このチラシの業者ですが、かなり怪しい業者も含まれていますので、チラシのどういうところを確認するかまとめて紹介します。
真っ先に住所・事務所・電話番号を確認
必ずチラシのどこかに業者の事務所の住所が記載されているはずなので探しましょう。
住所が記載されていない場合はその時点で悪徳業者と考えてOKです。
そして、住所があれば次に表記を確認します。
「東京都大田区」など、中途半端なところで記載が終わっていて、正確な番地まで確認できない場合は悪徳業者と考えてOKです。
次にgoogle検索で住所を検索し、ストリートビューまで確認しましょう。
住所がレンタルオフィスであったり、明らかに誰も使用していないアパートや空家ならば依頼しない方が良いでしょう。
遺品整理や不用品回収は許可のない違法業者も多く、窃盗や高額請求といった悪質な行為が行いやすい事から、所在をはっきりできない業者はかなり怪しいと考えましょう。
電話番号が携帯電話なら問題あり?
事務所をきちんと構えて、長年業務としておこなっている業者の場合は、IP番号やフリーダイヤル、固定電話番号を表記しています。
携帯番号が必ず悪いわけではありませんが、現在は固定電話よりも手軽に用意できる事から、極めて少数の業者や駆け出しの「とりあえず始めました」という業者ほど携帯番号を使用する傾向にある事を知っておいてください。
資格・許可の確認
遺品整理や不用品回収において、業者として品物を回収したり処分するには資格が必要です。
ここでは確認すべき資格・許可と、確認できてもどうでもよい資格・許可の2種を紹介します。
表記を確認するべき許可・資格
一般廃棄物収集運搬許可は一般家庭から品物を廃棄物を回収するのに必要な資格で、古物商許可は一般家庭から品物をリサイクル品として回収するのに必要な資格です。
つまり、この二つの許可は業者が客宅から品物を持ち出す際に必要な許可となっています。
一般廃棄物収集運搬許可は地方自治体の事情からそもそも新規取得ができない場合が多いのでなくても構いませんが、不用品回収や遺品整理をするのであれば古物商許可は持っているべきなのです。
これらの許可を持っていない業者は、実務は外注へ再委託する業者か違法業者の可能性が高くなりますので注意しましょう。
表記があっても参考にならない許可・資格
産業廃棄物処理業の許可では一般家庭の廃棄物は処分・回収できないので、そもそも無意味な許可です。
そして、遺品整理に関する資格で表記が最も多いのが「遺品整理士有資格者在籍」でしょう。
この資格は一見、遺品整理の専門家と思われがちですが、資格の取得は「メールでレポート提出だけ」、「やり直しは何度もOK」で取得できる民間資格です。
取得難易度は非常に低く、実務などの条件も一切ないので、この資格の意味は「ないよりマシ」程度です。
金額表記が非常に多い
これは体感ですが、不用品を回収・処分するのに品物別に費用をびっしりと記載している業者は怪しい場合が多いです。
一例を挙げると次のような感じ、他にも家具類の処分費用が記載されたりしていますが、結果として表記されている費用以外に人員増加によるオプション費用を始めとした、様々な追加費用がかかる可能性が高いです。
品目 | 処分費用 |
---|---|
電子レンジ | 500円 |
プリンター | 500円 |
掃除機 | 500円 |
扇風機 | 500円 |
ビデオデッキ | 500円 |
DVDプレイヤー | 500円 |
炊飯器 | 500円 |
アイロン | 500円 |
空気清浄機 | 800円 |
ドライヤー | 300円 |
トースター | 300 |
ミニコンポ | 1500円 |
オーディオデッキ | 1,000円 |
こういった表記の極端な例は「パソコン・洗濯機などの回収費用が完全無料!」と謳って、問合せ後に必ずかかるオプション料金を別途上乗せするような手法もあります。
この点に関しては、このページで紹介している、住所の確認や公式サイトの確認と併せて判断してください。
公式サイトを確認
現在において企業の公式サイトは名刺と同じように企業の顔や品位を表す重要な要素です。
その為、チラシを見て依頼する前に公式サイトが存在するかを必ず確認しましょう。
基本的にはチラシのみで公式サイトが無い業者は依頼しない事をおすすめします。
そして、公式サイトで確認するのは次の通りです。
サイトの有無が分かれば内容に関しては個人の感覚で「信頼できそう」という判断で十分ですが、一か所だけきちんと確認するポイントが創業年数です。
遺品整理業は稼ぎやすい商売と言える事から、利益目的の新規参入業者も多いので2年以上は遺品整理業務に携わっているかどうかを確認する事をおすすめします。
そもそも、チラシの遺品整理業者ってなぜ怪しいの?
チラシの遺品整理業者が怪しいとされる理由は大きく2つあります。
チラシはデザインを一度注文すれば、後はそれを刷って業者に配ってもらうだけなので、宣伝方法は非常に楽です。
現在はネット広告やSNS集客、SEOマーケティングや新聞広告など様々な宣伝方法がありますが、チラシ広告はとりあえず始めるには最も安価で実行しやすいのです。
そして、もう一点がチラシにおけるメインターゲット(客層)は高齢者だという点です。
悪い言い方をすると、こういった自宅訪問型の商売においては、ネットでの情報収集に疎い高齢者は詐欺のターゲットにしやすく、高い利益も見込めるお客なのです。
チラシ営業を行っている全ての業者が悪徳というわけでは決してありませんが、悪徳業者が混ざっている可能性が高いのできちんと確認する事が大切なのです。
誠意ある業者はチラシ広告だとしても誠意ある対応や対策をきちんとしています。
ですので、「チラシで見てもまず確認」という事を忘れないようにしましょう!
もしも、遺品整理について検討されている方は、当サイトで遺品整理に関する情報を総合的に紹介していますので、次のページも参考にしてください!